国論二分する政策に学術界から批判受け人事に関与始める?<学術会議任命拒否> - 東京新聞

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 日本学術会議の会員候補の任命拒否問題を巡り、政府は7日の国会審議で、推薦者のうち6人を除外した理由について「総合的、俯瞰ふかん的観点」に基づく判断だとし、首相が会議の推薦通りに任命する義務はないとする政府の立場について「学術会議法の解釈を変更したものではない」と重ねて強調した。ただ、安倍前政権下で人事への関与を始めたのは、安全保障関連法など国論を二分する政策を推し進め、学術界からの批判が相次いだ時期と重なる。(横山大輔)

◆秘密保護法、安保法など多くの学者反対

 立憲民主党の今井雅人氏は7日の衆院内閣委員会の閉会中審査で、内閣府が首相に学術会議の推薦通り任命する義務はないとする内部文書をまとめた時期について、特定秘密保護法や安保法、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を次々と成立させた後の2018年だと指摘。「多くの学者が反対していた。関係があるのでは」という見方を示した。

 同党の柚木ゆのき道義氏は学術会議が17年の声明で、軍事応用できる基礎研究を助成する国の制度に懸念を示したことに触れ、法解釈検討の「発端か」とただした。

◆政権批判高まった時期に人事介入始まる

 野党が疑念を深めるのは、学術界からの政権批判が高まった時期を境に、政府が「学者の国会」と称される学術会議の人事に介入し始めているからだ。

 学者らが秘密保護法や安保法に反対する活動を展開した後の16年には、官邸が欠員補充のための候補者に難色を示し、推薦見送りの事態に発展。17年の改選期には、推薦枠を超える候補者の提示を求める異例の対応を取っている。

 内閣府の担当者はこの日の内閣委で、首相の任命権に関する内部文書の作成は「官邸の指示に基づいていない」と主張。学術会議が改めて6人を任命するよう求めていることについては「今般の手続きは終了した」と拒んだ。

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