手作り感覚の生放送人気 大垣ケーブルテレビ番組 - 中日新聞
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番組を生放送中の久世さん（左）と三ツ星さん＝大垣市中野町の大垣ケーブルテレビで |
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西濃地域を視聴エリアとする「大垣ケーブルテレビ」（大垣市）に、視聴者からのメールに司会者がアドリブでコメントするという生放送の番組がある。毎週金曜夜の、その名も「生放送です！ メールください」。メールのみが頼りで台本なしという、まさにぶっつけ本番の番組は、シンプルな内容ながら、独特の手作り感が人気を得ている。その魅力を探ろうと、放送中のスタジオにお邪魔した。
「皆さんこんばんは。時刻は午後八時十五分になりました」。大垣市出身のＭＣ、久世良輔さん（４４）の一言でスタート。ちゃぶ台と座布団が置かれた簡素なセットには、視聴者から届いた人形やイラストが並ぶ。
この日のメールの募集テーマは「家での過ごし方」。視聴者から届いたメールは久世さんの手元の画面に表示される。「布マスク作り」「録画しておいたテレビドラマを見ています」−。時折届く写真も手元のカメラで写しながら内容を紹介。月一回出演する吉本興業所属の「岐阜県住みます芸人」、三ツ星ジョージさん（４１）と共に感想を話しながら、四十五分間の番組で百通余りを読み切った。
番組は二〇一五年四月に始まった。大垣ケーブルテレビの吉田広行ディレクター（５０）と久世さんは当初、視聴者参加型のクイズ番組などを制作していたが、「もっと視聴者を巻き込みたい」と、メールを通じて双方向でやりとりできる生放送番組を企画した。
初回は事前告知がほとんどなかったにもかかわらず、放送中に二十一通のメールが集まった。現在は一回に六十〜七十通、多いときで百通近くが届く。放送後には吉田さんが全てのメールに返信する。
メールのテーマは番組冒頭に発表されるが、これまでに投稿したことのある視聴者には当日朝にメールで伝える。送信リストには八百人以上が登録され、毎週一、二人が新規で加わる。
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別室でスタジオの様子を確認する吉田さん（左）ら。別室の様子もスタジオの久世さんの後方に置かれた画面に映している＝大垣市中野町の大垣ケーブルテレビで |
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台本なしでほぼアドリブで進行する内容が評価され一五年、日本ケーブルテレビ連盟主催「日本ケーブルテレビ大賞番組アワード」のエクストラ部門で一位となった。出演者の他にスタッフが二人という小規模な番組づくりも話題となり、他局が視察に訪れることもある。吉田さんは「スタッフが生放送への抵抗感をなくす意義もある」と手応えを語る。
久世さんは「自然体で出られる番組。視聴者との距離が近く、一緒に遊んでいる感じ」と話す。放送中、久世さんと別室の吉田さんがイヤホン越しの会話で盛り上がることがある。吉田さんの声は視聴者に聞こえないが「『どんな会話をしているのか想像するのが楽しい』と言われる。視聴者も巻き込んだ『内輪乗り』です」。
今後について吉田さんは「視聴者が作る番組なので、続けることが目標」。久世さんも「出演者というより、同じ地域住民として見てもらえている。テレビというものがなくなるまで続けたい」と話す。
大垣ケーブルテレビは大垣、海津、垂井、関ケ原、神戸、池田の二市四町で放送。次回の「生放送です！」は八日。
（芝野享平）
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May 07, 2020 at 07:20AM
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