公明の山口代表、一転大阪入り 都構想賛否拮抗で維新要請か - 時事通信ニュース
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2020年10月19日07時09分
公明党の山口那津男代表は18日、大阪都構想の是非を問う住民投票に向け、現地で支持者に賛成を呼び掛けた。反対派の自民党府連に配慮し、これまでは地方組織レベルの運動にとどめていたが、一転して「てこ入れ」に乗り出した格好。賛否拮抗(きっこう)の観測が広がる中、日本維新の会が「ヘルプ」を求めたとの見方も出ている。
「11月1日の投票は賛成票を入れてほしい。元大阪府民、現在は東京都に住む山口那津男がお願いする」。山口氏は大阪市で、維新代表の松井一郎市長、同副代表の吉村洋文知事と共に街頭演説し、数百人の聴衆にこう訴えた。
住民投票の告示翌日の13日、山口氏は現地入りの可能性を記者団から問われても、「府本部の対応に委ねる」と慎重な答えに終始していた。方針転換の理由について、石井啓一幹事長は「府本部の強い要請があった」と説明するが、党内からは「焦りを強める維新から頼まれたのではないか」(関係者)との声が漏れる。
背景には、報道各社の世論調査で賛否が接近していることがある。1カ月前は賛成が反対を10ポイント以上も上回る結果が目立ったが、その差は徐々に縮まっており、投開票日に向けてさらに競るとの見方が強い。
公明党はもともと都構想に反対していた。しかし、昨年の大阪府知事・市長ダブル選を制した維新が、衆院選のすみ分け解消をちらつかせたため、やむなく賛成に転じた経緯がある。公明党関係者は「衆院選では維新に大阪の命運を握られている。義理は果たさざるを得ない」と語った。
もっとも、山口氏の大阪入りで、自民党との選挙協力が揺らぐ可能性もある。菅義偉首相は松井氏と親しく、都構想に賛成と目される一方、党府連は維新と「犬猿の仲」。このため、地元選出の国会議員は「大阪では公明党への対抗馬擁立もあり得る」と猛反発している。
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